いつでもどこでも美味しい暮らし

食オタク主婦ブログ

ポワラーヌのこと

ご他聞に漏れず?、パン好きなら誰でも知ってる
パリのポワラーヌのパン・ド・カンパーニュ
(天然酵母田舎パン)の大フアンです。
 
今では日本でも相当レベルの高いパンが
食べられるようになりましたが、
バゲットでもフワフワの白いパンが主流だった20年前当時、
パリで初めて食べて
天然酵母パンの本当の美味しさを教えてもらった
という意味でもいまだに憧れです。
 
天然酵母って・・なんだか硬くて
酸っぱい感じで、ドシッとしてて・・・・」
 
と敬遠する向きの意見もわからなくはないので
白いフワフワのパンを否定するものではありませんが、
たぶん、美味しい天然酵母パンをささっとトーストして、
おいしいバターをたっぷり乗せ
実はこれが口の中で溶けていくのよ・・・・・、
という体験をしたらきっと、
パンにもいろいろあってこれはまた別の食べ物なのかも・・・と
感じて頂けるかも知れません。

というわけで、バブル真っ盛り、あまりに美味しかったので、
ついに高島屋直輸入(空輸・今もしているかも・・)
カンパーニュを購入するという贅沢、かつ
「何もそこまでしなくても・・・」 (注:自戒です。笑)
的な行動をしてしまった前科?を持ってます。
(当時確か1/4で\1250.-つまりホールで5000円ね・・・
いくら美味しくても有り得ないっしょ。笑)
 
で。
 
それがふらふらとロンドンに来て、何に驚いたかって
そのポワラーヌが!スーパーの商品棚に
ゴロッと無造作に並んでいたこと。
 
えっ、ロンドンでポワラーヌ???
 
早速調べると、なんとロンドン支店があるじゃあないの。
あら、そーなのぉ、そんなことになっちゃってるの??
 
バブル崩壊以降、そして日本でも美味しいパンが
食べられるようになって以降、ポワラーヌのことはすっかり
忘れていた
ので、遅まきながらいろいろと調べて二度びっくり。
 
随分前に話題になった、二代目の兄弟争いは知っていたが、
本店を継いだ弟のほうは、なんとヘリ墜落事故で2003年に
夫婦で亡くなっていて、今は娘さんが後を継いでいるとか・・・。
 
しかも、ここからは私の単なる勘違いだが、
当初、兄弟ゲンカはむしろ、「マックス・ポワラーヌ」さん(兄)のほうが
なんとなく異端児なのかな、、、と勝手に思っていたのだが、
弟のリオネル・ポワラーヌ氏はロンドンの(要はパリ以外の)そこら中にも
あふれるほど事業を拡げ、挙句の果て?に
派手ともセレブリティとも言える自家用ヘリ墜落事故で最後を遂げるなぞ、
むしろ後継の亡くなった弟さんは初代の職人気質のお父さん
ピエール・ポワラーヌ氏には似ていなかったのでは・・・・。
うーん、弟さんは父親から無理やり継がされたとかって話だったしねぇ、、、
 
いやいや、それよりもですよ、
ロンドンのうちの近くの小さな商店(オーガニック店だが)にまで売っていた
ポワラーヌをパッと買ってきて(夢のよう・笑)20年ぶりに食べてみると、
これが変わらず美味しいのです。
ロンドンでも美味しいと言われるパン屋さんやデリの
サワードゥー(天然酵母)をたくさん試しましたが、
やっぱり一番、と言っていいほど美味しい。
 
経営理念はともかく、きちんと美味しさを保っているところが
他ではマネ出来ないポワラーヌここに在り、ということか。
これだけ大きくなると小さなパン屋さんの釜で・・・というより
工場で大生産している、というものだと思いますが。りっぱです。
 
ちなみにお兄さんのほうは
パリの前述の店(リヨンにも支店?)で
独自に同じ天然酵母焼いています。
(これはパン・ド・カンパーニュとは呼ばず、
マックス・ポワラーヌというのだとか。この辺にこだわりが。
いずれにしても行って見なくちゃ・・・忙しいわっっ・笑)
 
話は戻り、となると、突然若干20歳前後でこの一大事業を継ぎ、
いまだに健在させているその孫娘さんがすごいじゃない!ということに。
(ちなみに、米ハーバード卒、だとか。なるほど?)
 
いろいろ考えてしまったが(頼まれてもいないのに・笑)、
美味しければ文句なし、ということで私は今日も
ロンドンでかたくなにポワラーヌとエシレバターでフランス人しています(笑)。
 
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しかし、ウエイトローズ(ちょっと高級系スーパー)でも
うちの近くの店でも飛ぶように売れているとは言い難い気が・・・。
ロンドンではどちらかというと「健康志向パン」の類分けで
パリのカフェのメニュー(外の看板)のような
「ポワラーヌ使ってます!」などの表記は見たことがありません。
単にフランスじゃないからかもだけど。

美味しくても経営がうまく行かなければ
そのうち無くなってしまうのでは・・・と
(20年忘れていたクセに)再び懸念している私・・・・。
まあ、フランスパンだけど米ハーバード式にまかせましょう(笑)。
 
ちなみに天然酵母パンはゆっくりと熟成していくので、
焼きたてよりも三日くらい経ってからのほうが美味しいのです。
そういう意味でも白いパンとは別物。
 
さらに余談ですが、モヤシモンの仕業(発酵)で
美味しくなる麦ものと言えば、若干、イギリスのビール、
「エール」とも似たところがあります。
ドイツの美味しいビールを(日本で)飲んだ時も
おいしいパンの香りがしたものです。

少し雑味はあるのかも知れないけれど、濃くて、
自然で、なんとも奥深い味。
このモヤシモン類が私もオットも大好き。
味噌も醤油も無ろ過原酒も、みーんなおなじなのです。
 
また長くなりましたが。
 
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