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食オタク主婦ブログ

英国で"ナマタマゴかけごはん"は出来るのか??

英国在住の方から
「(((ねえねえ、ぶっちゃけどうなの?)))
この国の鶏卵、生(卵かけごはん)で食べられると思う???」、という
在英日本人の永遠のテーマ的コメ(笑)を頂いたので
新参もの(逆に最新事情のみ、見える)&素人ですが、見解を述べさせて頂きたいと存じます(笑)。
 
結論から言うと、

絶対に大丈夫ですとは絶対に言えないけど
ウチは時々やってます。しかも、納豆混ぜで。(笑)
ヘタすると(?)、日本より美味しい生たまごかけごはんが簡単に食べられます。」
(それより、ごはんだけはどうしたって日本にかなわないけど・・・)
 
です。
 
たとえば、生牡蠣。 宅のオット(ん?)は、一度に30個食べても
それを何度繰り返しても、人生一度も当たったことのないツワモノですが、
私は体質的に1個でアウト。
↑これは、食べものそのものが合う合わないの話ですが、
それとは別に古い牡蠣(卵)だったらそりゃ、生では食べられない(食べない)ですよね。
それから、ここは重要なのですが(在英の諸先輩方には釈迦に説法ですが)、
英国では確かに基本的には卵を完全な生のまま食べる習慣はナイ、です。
なのでこの国で売られている卵は
基本的に生で食べることを想定されていない商品」です。
 
フツーの英国人に「生で食べてみなよー」と言ったら、
絶対にケゲンな顔をされて終わりです(よね?)(いや、マジに反対されるかもよ)(よね?)。
日本はすき焼きにしてもごはんがけにしても、飲み込む(?笑)にしても、
生卵を食す習慣のある、世界でもかなりめずらしい国に加え、
なんでも工夫する国(良く言えば)&自己責任のない国ですから、
卵の生産・流通・保管状態に関しては世界一?と言えます。
「基本、生で食べることを想定された商品、それを過ぎたら客もちゃんと火を通す」
ということが文化として成り立っているのです。
(日本のスーパーの安い卵は基本、洗浄・殺菌され、少なくとも
表面上の菌はほぼ取り除かれています。それゆえ逆に常温では持ちません。)
 
だから殻に付着することの多いサルモネラ菌が、
日本以外の国で付着している可能性が高いことは十分にあり得ます。
(うぶ毛とか汚れ(汚物)とかが
ついてるものもありますよね・・
これが危ない。でも同時に卵を洗っていない証拠でもあるので
逆に卵本来の力(呼吸して生きている!)が有れば、持ちはいいんですよー。)
 
なお、サルモネラ菌のおさらいです。
殻に汚物から、及び、卵黄に親鳥から母子感染して存在することもあり
(日本は抗生物質の大量投与によりこの確率が低い、けどまずい)
(←この一言に尽きるか?この論文・笑)
低温(冷蔵庫以下)ではほとんど活動(増殖)せず、
高温調理(70℃以上、100℃以上で死滅)で大丈夫になります。

さて、食べ方に戻ると、英国は実は半熟タマゴもまた、基本なのです。
まず、イングリッシュ・ブレック・ファーストの主人公?である、「目玉焼き」
(なぜか、メダマは2つでなく1つが基本ですが・・・・)これはどこで食べても必ず、
とろとろに近い半熟。驚くでしょ?初心者的に(笑)
 
渡英2年にして、もう何十回も田舎のパブ・イン(パブ併設の宿、要は庶民的なとこ)や、
数少ない高級宿(笑)を泊まり歩いていますが、そのいずれでも
黄身が完全に固まって出てきたことはただの一度もありません。
この点、日本より徹底しています。
別にこだわっているわけではなく、(そんな器用な人々ではない・笑) それが当たり前なのです。
 
ただ、私は専門家ではないので断言しませんが、
サルモネラ菌、実は低温でも
高温でもない、半熟状態が一番
活動がさかんになっている(増殖している)場合がありうる(!)、らしいです。
 
この点にもっとちゃんと目を向けるべきと思うのですが、英国人は、
生卵は食べないけれど、半熟は文化なので、(生まれたときから)もう絶対大丈夫、との
完全なる信頼をフツーに持っているんですよね
 
ともかく半熟を食べている国だからと言って
それがそのまま「生卵も平気♪」という根拠にはなりません。
 
私なりの根拠は、英国に居て英国の食材を使う、
名だたる料理家たちが卵を生で使っている料理をテレビで何度も見ているからなのですが、
実はこれも厳密には完全ではないのです。
 
代表的なのはマヨネーズ。
ジェイミーも、レイチェルも、ジェームスも、その他の方々も
英国の生の卵黄でマヨをしょっちゅう手作りしています。
でも、マヨは、(最強の殺菌剤)「ヴィネガー(酢)」が入りますので、これも根拠にはならない。

さらに、彼らは一様に
「放し飼いの(Free-range)、
高い品質の(Good quality)、新鮮(Very fresh)」
ものを使え、とも、都度言ってます。
(ということはこういう良い卵が英国に存在している、ということでもあります。)
 
それから、これは半生状態の話ですが、バターと卵黄を湯煎にかけて作る
オランデーズ、英国人も良く作りますが、火の通し方が中途半端ですね。
(酢も入ってるけど・・・)
 
それからティラミスも。
火を通すイタリアン・メレンゲを使うのでもなく(白身は生のまま、但し自体に少し殺菌能力がある)、
卵黄(を使うザバイオーネ)はオランデーズと同じ湯煎で、高温調理ではありません。
 
英国人の大好きなカスタードソース、あれも中途半端に火を入れてますよね。
 
ということで、よく生卵は使ってるけど、
黄身に関しては、酢が入ってたり、半生までは火を通したりはしている・・・・・。
 
あら、するってぇーと、ウメ子さん、
「黄身が生でだいじょぶ、の根拠はナイじゃないっっ」
 
(ひえっっ、びっくりっ・笑)
 
でも、皆さん、実は生で卵を食べる習慣のある国は日本以外でも結構有る
んですよ。
フランスの
ステーキ・ターター(Tartareタルタル)は、刻んだ生の牛肉に生の卵黄をフツーに混ぜます。
それから、それとそっくりなのが、韓国のユッケ、ですよね♪
(余談ですが、彼ら肉族は平気で生肉まで食べてます。)
そう言えば、ミシェル・ルー・ジュニアの片腕のモニカちゃん(彼らの手法は伝統フレンチ)が
ステーキ・ターターを作った時、卵黄は入れてなかった!!!という事実はありますが(笑)、
ご安心下さい、英国のTartareレシピでもフツウに生卵黄を乗せているものがたくさんあります!
 
これらの国のフツーに売られている卵の状態が日本より優れているとは思いがたいけど
我々と同じように、伝統的に個々人が「生卵」の見極め方を
英国人より
ツーに知っている可能性は十分にあります。
 
日本では英国ほどその品質を見極める必要はないわけですが(てか考えなくて良い)
日本でも100%死滅させていない調理法以外で卵黄を食べる以上、
実は危険がゼロ、というわけではないのです。日本で事故がないわけでもありません。
(でも、危険と思っている日本人はほとんどいないと思う)
 
英国人が「生卵を食べたら死ぬ」と思っているのと同じくらい、
日本人が「日本の卵は生でも絶対平気♪」と思っているのは、
多分、双方に(多分に)思い込みが含まれている気がします。
 
(だいたい、ちょっとフェーズの違う話だけど、日本では、「放し飼いの健康な卵」そのものだって、
簡単には手に入らないじゃない。)
 
ぜえぜえ、
 
そろそろ結論ね(こんなとこまでお読みいただき、ありがとうございました・笑)、
英国でほぼ安心して、生たまごかけごはんを食べたいあなた、
 
■Free range・Good quality・very freshEGGを手に入れましょう。
(しかし、良い卵=100%菌のいない卵ではない。)
 
■それは、信頼できるファーマーズ・マーケットや良質のショップ、
良心的な卵ファーム直などで生産者やプロ(いい加減でない本当の意味でのプロ・笑)と話をし、
「こいつはアップル・ツリーの周りを今日も走り回っててさぁー」(実話・笑)
とか、
「少なくとも産んでから2日以内の卵だよぉー」(実話)
とか、
「今日産んだヤツだよー」(←これは、飼ってる人だけかな・笑)
とか、
 
その品質、鮮度について話を出来るところで買うのが望ましいですが、そこまでしなくても
上記のショップならまず良いものが手に入れられる可能性は高いです。
それと、この国では、冬に買おう!(簡単には傷まない)、もひとつの手かも。
 
■でも、現実的にはスーパー買いですよね。
この場合、やはりウエイトローズのオーガニック・
ダッチー・タマゴぐらいでしょうか。
殻も固くて、まあまあ良い品質かな・・。
 
だけど、スーパーのものは又、「売れていない店」や、
売れているけど、オーガニック卵(高額モノ)を素通りする客ばかりが来るとこ(笑)」
・・・などで(売れ残りを)買ってしまうと、オーガニックでも、フリーレンジでも
本末転倒となる可能性は高い。
 
また、スーパーの「おキレイ卵」は日本と同じように洗っちゃった卵だと思いますので
(その分菌も落ちてるかもだけど・・)家庭での温度変化には大変弱い。

持ちが悪いので、買ってきたら即冷蔵庫に保管するほうが、
鮮度の維持、菌の繁殖を防ぐ、両意味で賢明です(てか、すぐ入れてください!)。
スーパーの棚に常温で並んでいるんだから、常温でだいじょぶ、というのはマチガイです。
 
後日記:ウエイトローズの卵確認しました。「洗浄されていない」ようです(毛&汚れがついてた!)。
なので、やっぱり(棚にならんでいるとおり)冷蔵庫には入れないで長持ちさせたほうが
良いようですね。いわば英国一おしゃれっぽいスーパーの、一番良い卵でも、
やっぱり日本とは違って、「自然のままの形」で売られているのは、良いことだと思いました。
ただし、その他の四大スーパーは確認していません。
 
でも、常温でも卵本来の力が備わったままなら、相当長く日持ちがするものであることも
また、確か(調理用に)です。(ややこしいよね)
 
余談ですが、卵の黄身の本来の色はレモン色です。
赤(オレンジ)いのは単にエサの影響です。この点は英国のほうが自然ですけど。
 
■さて良い卵を手に入れたとして、
まず(食べる時に)殻を洗う。
表面の菌のリスクを下げるためです。(さわったその手もよく洗う。)
 
■さあ、ともかく割ってみる。
日本人なら割ればすぐ鮮度を見分けられるとは思いますが、
新鮮な良い卵は殻も厚く割りにくくもあり、
中身の出方(落ち方)もなんとなくもの惜しげで未練がましい感じ(笑)です。
一方良くない卵は
「さっさと割ってよ、てろーーんとすぐ落ちるからさあー」
とでも言うように人生をアキラメタような情けなさ(笑)が殻にも身にもあります。
 
一応、載せときます↓(両方オーガニック・放し飼い)。
 
★良くないたまご↓
イメージ 1
 
☆良いたまご↓
 
イメージ 2
 
■そして、割ったら、即食べる。
基本、卵黄は殻(と白身)に守られた「無垢」なものなので、菌自体にそもそも弱いです。
割ってから時間を経たものはたとえ冷蔵庫保管であっても、生食はしないほうが賢明。

■それから最後に・・・
そもそも体の弱っているとき、体調不良のとき、高リスクのご老人や幼い子供
などには(特に)、英国でなくとも生卵は止めときましょう・・。
 
と言う感じですかね!?
 
ここまできて、

「食べたいけれど、やっぱし、なんだか大変そうねぇ」と思われたあなた。
 
本当は私だって
「だーいじょーぶだってぇー、ちゃんとしたもの選んで、
ウチの8歳の姪っ子だって、
完全生に近い目玉焼きを毎日かかさず
(二週間も)問題なく食べてたしいー、
買ってすぐ割ってみて新鮮そうなら大丈夫だしー、
いいかげんな国とはいえ、生産側や法律に食品衛生感覚は
フツーにある先進国なんだしー、最近はグルメにもなってきてるしー、、、
れより美味しいんだから、もったいないわよー!!」
 
・・・・と、言いたいトコなのですが、サルモネラ菌は危険な菌です・・・・・・。
そこは、Own riskな国に住む私たち、自己責任でオネガイシマス、、、
としか公には書けないとこがツライワね、ハイ・・・・・。
 
しかし、文化の違う海外では、我が身(我が子)を守るため、
「解らない、はっきりしない、リスクのあるものには手を出さない」というのは
一方、とても賢明な判断だと思います(食に限らずね)。