いつでもどこでも美味しい暮らし

食オタク主婦ブログ

長い間憧れた「カフェ・アルティ・エ・メスティエリ」は今はもう、ない(涙?)。

さて、山の上の農家民宿からレッジョの街に降りてきました。
題名の「カフェ・アルティ・エ・・・・」
なんの暗号よ?っっ(怒)」と思われた方のため、
初めから説明させて頂きます。ので長いです(爆)。
 
90年代バリバリOLの頃(バブルなんで)、
一番好きだった洋服のブランドはご多分に漏れず?
マックス・マーラ。そして、アルマーニ。
もちろん、アウトレットとかバーゲンでの購入ですよ。
天下のイタリアン・ブランドですね。
今でも好きですが、専業主婦で興味は半減以下、
しかも、もう買えん、てか その前に似合いません(笑)。
 
その天下のマックス・マーラ発祥の地
今回訪れた「レッジョ・エミリア」という、
パルマ(生ハムで有名)とモデナ(バルサミコで有名)
のちょうど中間にある小さな街。
こんな小さな街から世界的ブランドが!!
・・・なんて話はイタリアでは目白押し。
たくさんの世界一を持っている国ですよね(フェラーリもこの付近)。
 
で、だから、なんで、この街に?
 
実はそこには、ウメももが長い間憧れていた
レストランがあったのです(正確には、今もある。)。
 
いつまでたっても覚えられない名前、
「カフェ アルティ エ メスティエリ」
直訳すれば、
"フランス語で言うところのカフェ(イタリアでは
エスプレッソそのもののみをさしてしまうのでここでは空間を指す)、
"芸術と手仕事"、英語だと"アート&クラフト"ですね。
 
ここは、マックス・マーラ創業者の一人が、
食への情熱にあふれた菓子職人の女性と、
その弟である米国修業をしたシェフ、
そして、ビジネス&芸術の両方のセンスに恵まれた
デザイナーの共同経営者三人(計四人)と作った
マックス・マーラ・コラボの大変有名なレストランなのです。
というか、その道の人やら、アーティスト、業界人のたまり場。
(一時、名古屋のマックス・マーラの隣に
同じ名前の日本資本のレストランが存在していた。)
 
・・・てか、どうでもいいこと良く知ってると自分でも思う(爆)。
 
このレストランの存在を知ったのは、この本に出会ってから(1997年・爆)。
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日本語に訳された本の中には
(というか、日本語でのみ、出版された?)、
この地方(エミリア・ロマーニャ)の料理が目白押し、
そして、マックス・マーラのデザインにも通ずる、
シンプルで上品な、でも、美しいカントリーな感じの
素晴らしいテーブル・セッティングやインテリア空間。
(あくまでイタリアのですよ、間違ってもイギリスの田舎の
おばーちゃんちのぢゃないですよ・爆)
 
写真もたくさんで、今見てもセンスにあふれているのです。
(料理レシピ本としてもかなり秀逸)
これでウメももは当時パルマハム以上とも言われる
クラテッロや、パルミジャーノ、その他もろもろ勉強させてももらいました。
 
事実、前日のバルサミコ宿のオーナーも
「レッジョの街に降りて聞けば、誰でも知っているよ」と言ったとおり。
しかし、同時に彼、その時少し妙な表情をして、
「でも、シェフは変わってしまったんだよなー・・・」と
つぶやくように言っていたのです。
 
白トリュフ祭と同じように、この旅でぜひ行きたかったこのレストラン。
てか、その後イギリスに暮らすことも、
簡単にイタリアへ飛ぶことなんぞも全く考えていなかった、
その頃から憧れていたレストラン。
行くと決めてからここのイタリア語のサイトからとれる情報は少なくて(てか、ゼロ・笑)
とりあえず行けばなんとかなるだろう、と、深く考えずきちゃいました。
現地人が現地で助けてくれるってのもあるしね~。
前述の彼が「それでもまだ美味しいよ」、というので、
とりあえず予約をしてもらったわけです。
 
さて、
ちゃんと・・・
きっと当時のまま、おしゃれなまま、マックス・マーラの隣に今もありました。
 
イメージ 2
 
しょっぱなから英語が出来るマダムが
「シェフは別のところへ行きました」とのこと。
それは聞いてきたけれど、次第に、シェフのみならず、
ウメももが本の中に知る、
Eシェフの姉であり菓子担当のA(シェフ)、
そして支配人のA、実は憧れた登場人物が一人も
いないようだ
ということにだんだんと気がついてきました。
 
どうも、全とっかえ(?)が行われた模様。
 
静かな空間で(客がいなかったともいう・苦笑)
料理が運ばれてくるまでの間、
実際には見たことも来たこともない初めての場所なのに、
ずっと知ってる物語の中の風景が、自分が今いる場所で
ぐるぐる走馬灯のように次々と流れていく感じで、
我々含めて二組しかいなかったのに
かつてにぎやかであったろう、伝説のレストランの中に
今いるような不思議な錯覚を起こしてました(ここ、雰囲気がある)。
でもふと我に返れば、歴史映画を見終わった時のような、
「もう今はないんだ」、という、な~んとも切ない感覚にも。
 
・・・・
 
リアルに知り合いなわけでもなんでもないのに
だいぶおセンチ&メルヘンになってきましたので、ここいらで現実に戻ります(笑)。
この突然のどんでん返しに軽いショックを受けたウメもものため
ポチが過去の記事をネットで拾い集めてくれました(ありがと~)。
 
それによると、当初、情熱を持って始めた姉が最初になんらかの理由でいなくなり、
弟のシェフ曰くただ「疲れてしまった」との、公のコメントを残して
やめてしまったようです。
結局何が本当のところは原因なのか判りませんが
彼らがここに夢を実現してから23年目に、
伝説のお店は本当に伝説になってしまった模様。
レストラン最後の日は、小さなこの街のそれなりの事件だったらしい。
 
現在のメスティエリのメニューの最初には、
そのときの様子を「大きな地震が起こった」と表現されています。
(でも、"我々が跡を引き継いでまた伝説が始まるのです"・・・・的な見出しに続く)
 
しかしこのレストラン、続けて聞いてみれば、
そういうイワクに負けない後継者?だそうで、
現オーナーシェフのGianni D'Amatoさんは、
2ミシュランスターなんだそうです。
 
へ!? へぇー!。
 
しかも有名で、他にいくつもレストランを持つ、実業家(マダムは奥様)。
 
ということで、かなり前置きが長くなりましたが、
それでは、今のアルティ エ メスティエリで
食べたランチをご紹介。さすがミシュラン☆☆つ!と
言いたいとこですが、またしても味が少~し濃かったです・・・。
 
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前菜のパルマ・ハム(名産)とニョッコ・フリット(郷土料理)、
昨日食べたのと全然違うレベルで美味しい(笑)
フォカッチャも今回の旅で一番でした。
 
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この地方の郷土料理erbazzoneというほうれん草のパイを
コンテンポラリーにアレンジしたもの。
プリモはラグー・タリアテレとお魚ラグー・スパゲッティ
ちょっと味が濃い以外はとっても美味しく食べられました!
 
イメージ 5
ポチだけ頼んだ、セコンド(メイン)の子豚ちゃんの煮込み。
うん、さすが、美味しかったです。
 
イメージ 6
本日のデザート、もう良く覚えてないけど、
ガナッシュの中にバルサミコが入っていて、確か上はにんじんクリーム。
プレートすべてめっちゃ美味しかったのは記憶しています。
なんだったかな・・・ジェラートも最高!
カフェも美味しい♪

マダムは件のマックス・マ―ラとのコラボ本の話を
無邪気にしていた私がかわいそうと思ったのか、引き継いだ今は亡き店、
そして違う登場人物の話をしているのに、
私たちに終始優しくしてくれました。
 
最後にはシェフ(体格でっかい~)もにっこにこと何度も
ありがとうと言ってくれて、このときはそんなにスゴイ人だとは知らなかったので、
その辺にいる"イギリス人のおっちゃん"に挨拶するような感じで
"うんうん、おいちかったよー、あんがとー
(ボォーノ、ボォーニッシモォ、グラッチェェェ~♪♪)"
・・・的な態度をとってしまった(爆)
 
シェフのキャラにも寄りますが、
ミシェル・ルー・ジュニア(英国の2ミシュラン・スター)に
こんな態度、死んでも出来ない(大笑)
 
マダムは最後にメニュー(小冊子)もくれた・・・
(特に要らなかったけど、一応思い出になった・・・笑)
 
なお、へんな日本人が食べに来ている!?(笑)ということで
厨房で話題になった?!らしく、ここでお声をかけて下さった日本人女性の
YUKOさんという方がいます。
ウメもも憧れのこの地で、このレストランで修業をされているというのです。

ご自身もこの辺で日本食のケータリング事業をされているとのこと、
ウメもも、またまた、超~尊敬のまなざし!
お話出来てうれしかったです。
(このあと、このYUKOさんのご紹介で美味しいピッツァを食べにも行けたのです!
この場をお借りして御礼申し上げます。)
 
実はレッジョは駅前を中国人コミュに占拠されてて
び、びっくり!だったけど(爆)、
旧市街はいい雰囲気、ホテルもオサレで大満足でした。
もっとも、ホテルのバスルームから当初緑の水が出てきたのには
びっくり
したけど・・・(古い配管の問題。イギリスでもあるからね・・大爆)
朝のマーケットでもいいものゲット出来たし(笑)
いろいろあって、もうちょっとこの街にいたい気分でした。
 
憧れたお店は今はもうないけれど、ウメももにとっては、
美味しいパスタと美味しいデザートを作ってくれた
新しいアルティ・エ・メスティエリがきっと心に残っていくのでしょう。
とても良い場所です。また来たいと思いました。
味なんか濃くてもどうでもいいや(笑)。
 
なんでも永遠に続くものはないのかな~と思いつつも
この地までこれた自分(の成長)にも満足しています。
 
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「カフェ・アルティ・エ・メスティエリ」
~イタリアの美味しい食卓~
 
それでもきっとずっと、この本はウメももの宝物のまま。
 
大好きな絵本をいつまでも大切にする、子供とおんなじです(笑)。
 
 
ここまでおつきあい下さり、(ホントに)ありがとうございました~!!
 
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