いわゆる有名温泉宿は知っているほうだと思いますが
(泊まれなくても・笑)、
父に教えてもらうまで、実はこの宿のことを知りませんでした。
帰国したばかりで最近の情報にウトイってのもありますが、
ひたすら「日本秘湯を守る会」フアンの父のいうことなので、
(どちらかというと、温泉が主体で山小屋とか秘境とかの会・・好きだけど・笑)
半信半疑で調べてみると、ウワサによると、どこかで
「日本一泊まりたい宿」に選ばれた宿だとか??
(でも、「日本秘湯を守る会」の会員宿なんですよね!面白い!)
善光寺参りからすぐ行ける場所でもあったので、
せっかくだから行こう!、ということになりました。
父の希望をかなえるべく、そして母に女子的満足を味わってもらうべく、
一番いい部屋を奮発したら(割り勘だけど・笑)
「高い。俺はどんなにいい宿でも2万円を超えたら行かない。」
などと、最初から文句タラッタラ(笑)。
あんたが行きたいっつったんでしょーがぁ~~~
でも、
内心、確かに、評判だけでさっさと予約してしまったけど・・・
と不安な面はありました。
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そんな父親の首をつかまえて(笑)、
泊まったのは離れ「仙山亭」にある「仙楽」というお部屋でした。
(部屋は宿が割り振り。空いていれば希望も言えるかと。
てか、空いてない可能性が高い・~~;)
広い畳の2部屋があり、そのほかに(応接ソファセット付き)居間付き、
テラス、次の間あり、洗面付きバスルーム(温泉&ジャグジー)、
トイレ、ミニミニキッチン(なぜか冷蔵庫2つ、電子レンジ付き)
一泊二食4名一室で、\32,000円(税込)/一人です。
(食事編終わったら、お部屋お風呂編書くね♪)
結論先に書きますが、ここ、
いままでの人生、巡り会ったことがなかった、
「リピート決定」宿です。すごいです。行って良かった。
(10年ほど前までの経験で、)
当時で4万円を超えるような高い宿には泊まったことはないけど、
(今後も泊まる気ないけど・爆)
要はそれ相応のところに泊まっても全て
「そこそこ良かったけど、この価格でリピはないな」というところばかり。
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なぜいい宿なのか。(以下独断と偏見)
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1.ホスピタリティーがぴかいち。インギンでなく、しつこくもなく
本当に田舎に帰ってきた家族のように接してくれる。
(洗練とはちょっと違うけど。でもいい。)
2.すべての食事がある意味、一流。
3.客一人あたりの敷地面積が広い。ゆったり。
(離れに泊まらなくても公共スペースが充実しているので、十分です。)
4.自然の中に田舎モダン?なインテリアが超癒される。
公共の場所の全て、お風呂などの雰囲気も抜群。
5.14時~翌12時まで22時間滞在できる。
(ほとんどの客が長居してそう・笑)
こまかくは改善の余地あるけど、欠点という意味では何も思いつかない。
強いて言えば・・・、山の斜面を利用した作りなので、
おみ足が不自由だとちょっと厳しいかも。ぐらい。
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この宿は奥行き30メートル(!)はあるという、洞窟風呂(湯あみを来て混浴)
が有名なのですが(お風呂の存在だけは知ってた)、
連日満室のワケは、何もこれがめずらしいからではないと思います。
料金の違いも部屋の広さだったり、利用人数だったりするだけで
(食事のメイン肉が若干離れの部屋が良くなるとか?)
部屋数たった18の、それほど大きくない宿は、
全ての客が分け隔てなくVIP、という感じでした。
一番いい部屋に泊まった私がそのことを心地よく感じたという。
それと、この宿、年末年始はなんと、休業なんです!
すごくないですか???
地元誌でも読んだし、実際従業員の方に聞くと、
従業員が年末年始を家族とゆっくり過ごすことが大切で、だとか。
一番の稼ぎ時ですよ、しかも料金跳ね上げて!!
あっぱれ!!!
経営者がとにかく素晴らしいんだろうけど
(スイスで勉強された跡継ぎの息子(専務)さん含めて)
天性の才能+ここに至るまではいろいろとご苦労、
試行錯誤されたんだろうな、といちいち感心しきり。
だからこの宿には全国からプロが視察にやってくるのだとか。
見習うべき一番は客と同じように従業員を大切にすることじゃないですかね。
それと、適切な権限の委譲。
(って経営学者か!? 大爆)
さて、つらつら寝言続けると、文字数制限になるので、
(って十分長いけど~~;)
今日はウメもも流渾身の全食事レポ!を、お届けしたいと思います。
夕食だけで終わっちゃいそうだけど~~;
夕食のスタートは午後6時~9時までの好きな時間を選べます。
一階の料亭(深山庵)に行く形式ですが、全て個室です。
渓流の音が風情あります。
食前酒、あんずのリキュール(リンゴジュース入り?)
(うろ覚え~~;)
セットされていた前菜から。
「山里料理」とされていますが、修善寺の「あさば」でも「一流の田舎料理」と
謳っていて、そういや湯布院の名だたる旅館群も
ことごとくこのような郷土料理です。
はっきりいって若いころよりも口は肥えていると思うのですが、
ここの料理が一番美味しかった・・・
器も料理に携わる従業員が全国から探してくるそうです。
(こういう宿は結構ある。)
高級食器というより、地の作家ものや手に届く価格のもの、
オリジナルで作られたものなどですが、
基本、良いものが使われています。それがいちいち楽しかったです。
でも、この点、あさばの方がハイセンス(←なんでも比べる~~;)
かつ、
器、そしてリネン等に関して全てちょっと高級かな。
(って値段が違うしね。)
山里のお造り。
鯉あらい、シナノユキマス(左)、こごみ・筍・こしあぶらの昆布じめ。
緑大根の上にのっている薬味は、生姜と「昆布しょうゆ」
これを↓
3種のソースで。
左から、シナノユキマスを入れた玉ねぎ&生姜ドレッシング
鯉が美味しかった~~!臭い鯉って絶対食べないけど。
ユキマスはそれ自体がどうこうと言うより、ドレッシングで美味しい感じ。
野菜の昆布じめもナイス!
燃えてる炭の入ったすごい演出でやってきました、
姫マスの炭火焼き。赤大根とウド、そしてこの辺で良く食べられるという
長芋入りのきりたんぽみたいなお餅ふう。
あつあつの姫マス。骨まで全部食べられます。
じっくり焼かれているのでとても柔らか。
今まで食べた中で一番美味しい川魚焼きでした!
(味はあくまでマスだけど・笑)
旬山菜。
タラの芽、こしあぶら、アスパラ(近くの中野市から)
藻塩のスプーンは小枝の手作り?
ポチはビールの後、吉の川・純米吟醸。
春のすまし仕立て。
鯉のつみれのスープ。
野菜と三日間(!)、ぐつぐつと煮込んだそうです。
こしあぶらと筍、紅心大根入り。
優しく美味しい味(ウチの煮詰まった冬スープとも似てますけど・爆)。
筍と里ふきの炊き合わせ。甘め。
お肉様。
信州で育った(信州牛ではない)、和牛フィレの杉の香焼き、
自家製ネギ味噌の上に野菜(イモ、人参、カブ、クレソン)
焼き石が左側に添えられています。
これで再度、ジュッと焼いて食べることも出来ます。
ここまですべてにおいて素材が素晴らしかったのですが、
どこまでも柔らかいこのフィレだけ、実は、ちょっと残念。
肉の味自体が薄目でちょっと力が足りない。
(辛口かな。他の宿でこれが出てきたら、文句ないかも~~;)
添えられたのは塩(モルドン?)、タレ、おろし、ライム、わさび。
お口直しの苺ゼリー。上が透明なゼリー(砂糖入り)、
下の苺はクーリ、いちごそのままのピュレのみです。美味しい!
て、てか、コレ、どーやって作んの??(笑)
松代長芋まんじゅう
父が大好きなあんこまんじゅうを期待してたのですが(してたんかい・笑)
そういう意味じゃなくて、お惣菜の蒸しまんじゅうです。
中にはぎんなん、鶏挽き肉あん、昆布。
お腹いっぱいでも美味しく頂きました。
〆のお食事。
こしあぶらごはん、
ご汁みたいにすり潰された大豆のお味噌汁ふう(中身大根、人参、かき菜)、
香の物が大根、かき菜たまり漬け、あんずの赤ちゃん↓の漬物!
(枝付きのおっきなケイパ―みたい!)
全部めっちゃうまい!(笑)
青いあんずの実。剪定のとき落とされたもの。
(青ウメと同じように毒がある。)
塩漬けにされ、ウメぼしのように美味しい。
デザート
盛り合わせ。
近くの小布施牛のジェラートはまあまあ、
苺プリザーブが乗ったクレマ・カタラーナの
硬めのやつみたいな「たまごのケーキ」、これも普通かな。
期待値が高すぎたってのは否めませんが。
右側の小さなマグ(これ、持ちやすい!)はよく眠れるという、
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以上、これがこの日のディナーの全てです。
たしかに山里料理だけど、季節ごとにまた食べにきたいです。
(料理長はもしかしたら、ウメももより若いかも。
感覚的にそう思いました。)
でも、夜も朝も給してくれた担当のKさん
(入社3年目!の若いお嬢さん)にしても、
途中で重たいもの(焼き魚など)を運んでくれた男性にしても、
何より、料理の全般通して、非常に真摯。
食材にも、それを盛る器にも、食べる人への気配りも。
(お解りと思いますが、食材もだいぶカブってるんですよね。
でも、それでも大満足できるんです。)
Kさん、ほとんどの料理の説明が丁寧でちゃんと解ってらしたけど、
たまーにうるさいおばちゃんがちょこっとなんか言うたびに
(褒め言葉のつもりで別に質問じゃなかったのだけど)
すぐに厨房に聞いてくれて、次のを持ってくるときに
フレンドリーに卵や肉の出所などを(爆)話してくれる、という感じ。
おまけに「私もとても勉強になって楽しいです!!」とまで(TT)。
すみませんね・・・・by ポチ(爆)
このKさん、それでもいわゆる気負いみたいなのは感じられず、
とても楽しそうに誇りを持って働いてらっしゃる感じでした。
おばちゃん、ほんと応援したくなるよ~(笑)。
滞在中は温泉ざんまい。
部屋に戻ると、お夜食が。
重たい作家ものの手付きの大皿とラッピング。
オレンジ、チェリー、いちご、メロン(←美味)。
フツーに美味しいフルーツ盛ですが、
これでガッツリ母の心をつかみました(笑)。
それでは、またまた温泉に行ってきまーす!!
おやすみなさーい。
浴衣もあるけど、作務衣着っぱなし、楽ちんでしたー。
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ということで、やっぱし朝食までたどりつきませんでしたので、
次回に致します。
実はこの朝食が夕食より感動したんです。
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*1:サーロインなどの脂の味がダイレクトに来ない
部位なので仕方がないと思いますが