いつでもどこでも美味しい暮らし

食オタク主婦ブログ

今季最後のヴァシュラン/モンドール

ロンドンは今日もいい天気。
どうも一番いい季節に来てしまったようで あとが怖い。
 
さて、書き溜めたおいしいものの中から、ちょっともうシーズン後れですが。
4/29の日記から、チーズの話題です。
 
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バラ・マーケットでシーズン最後のモンドールを買ってきてから、
キッチンがにおって
たまらない・・・はっきり言ってクサイ
 
イメージ 1
 
けど、休肝日も続いたので さらに熟成 させていまうことに。
んなこんなで新鮮な英国産アスパラ (旬) も手に入ったある日、
スーパーで一番安いフランスのシャルドネ(わたしはワイン無知)も買ってきたことだし、
ようやくモンドール・フォンデュに致しました。
 
20年前パリで感激したモンドールは表面が白くてかなり大きいものでしたが、
こちらは表面まさにモン・ドール(金の山)色(そういう意味じゃないですが。)。
直径12センチの小サイズで5.9ポンド。
 
このモンドール、ちょっとややこしいのでwikipediaで再学習したところ、
簡単にまとめると次のようなことでした(ここからマニアック・笑)。

フランスとスイス両方で作られている*季節限定のウオッシュタイプチーズ(牛)。
(*毎年8月15日から翌年の3月15日までの期間限定で生産され、9月10日から翌年5月10日まで販売される。) 
(へぇぇ、期間もちゃんと決められてるんだねぇー。)
エセピア(モミの木の一種)の樹の皮が巻かれていてその芳香がある。

モン・ドールとは、フランス語で「金の山」の意味。
スイスとフランスの国境のジュラ山脈周辺で手作業で作られている。

 
両国で微妙に名前と製法が違い、
フランスは
モンドール(AOC) (直訳:”金の山”) という名前で 生乳(AU LAIT CRU)を使う」 
し、スイスは
「ヴァシュラン・モンドール(AOC) (金の山の牛乳チーズ)という名前で 殺菌乳を使う」
ということらしい。
 
ただ、フランスでもヴァシュラン・モンドールと呼ぶし、パリなどでは単に
「ヴァシュラン」と言えばこの冬季限定の「モンドールAOC」を指すこともある。
(20年前パリのラスパイユ市場ではヴァシュラン、とだけ書いてあった。)
 
モンドール以外にもヴァシュランと呼ばれるチーズがフランス、スイスともに存在する。
(ヴァシュラン=フランス語で ”牛乳チーズ” なら、当たり前か)。

さて、Wikipediaはてっとり早く(総じて)正しい情報を得るためにはとてもありがたいサイトだけど、
凝り性になると、さらにちゃんと「本当に正しいのかどうか」まで調べたくなるものです
(え?、ならない・・・?・笑)。
 
で、すばらしい日本語のページ(チーズ屋さん)を見つけました。
http://www.cheesemarket.jp/dor-iroiro.html
ここにモンドール/ヴァシュランの正しい見解(と思う・・)が載せられていると思います。
ここを熟読(笑)して今回の我が家のモンドール・フォンデュを総括してみました。
 
イメージ 2

まず、今回はシーズン最後ということもあって少し過熟していたものを
私がさらに熟させてしまったため、どろどろトロトロ
(ワインは入れたけど、にしても、焼きあがりは殆んどスープ状態)で、
かなりの「熟成チーズ味」(クサヤ系ね)でした。
ただし、これはこれでアミノ酸度合いがとても強く、クセはあるものの後を引きます。
ワインとちびちびやると確実にメタボ高血圧一直線
 
しかし、私が真冬のパリで初めて食べた「ヴァシュラン」
(1月に「大きいサイズで熟成がまだ若いもの」をカットしてもらった)は、これと全く違います
中身がトロトロ~ッとあふれ出ることは無く、
クリームチーズより若干柔らかめの、ドロッ、です。
 
見た目がそっくりなカマンベールより美味しく(モンドールは白カビチーズではありませんが)、
塩味はあるものの辛くなく、甘く、まるでサンタンドレをもう少しクリーミーにした感じで
まさに濃い目のソルテッド・フレッシュバター。
一方、今日のは塩分もかなり効いていてそれなりに臭く(いいにおいなのでしょうが)
とてもバターとは感じられない。
 
ここからはオットの想像なのですが、ウォッシュタイプは塩水で洗ったり漬け込んだりするので
小さいほうがより塩分の染み込みが激しいのではないかと。
(あとでわかったことを付け加えると、過熟すると味が凝縮し、濃く(辛く)なるそうです。) 
お酒を飲む人には少々濃くてもよいと思うのですがたっぷりとは食べられない感じです。
 
上記のサイトでも説明されていますが、チーズの熟成度合いは好き好き
さまざまな味わい方があるので、日本で一般的に言われている
「トロトロ~ッとしたものだけ」が、これぞ「ヴァシュラン・モンドール
であるかのような説明は当たっていないと思います
(○芸春秋刊のチーズ図鑑にもトロトロ~がよいと書いてあった・・)。
ただ、熟成状態が判るように木フタは開けてあります。
 
全く、何でもそうですが、食の誤解が本当に多いのが現実、だけど
えらそうですが、その国の(食)文化をきちんと知ろうとすることは最低限の礼儀と、
海外に暮らすと常日頃思います。
韓国では犬を食べるし、我が国では馬も鯨も食べる。
それがどうして責められなければならないのか、全く解りません。
同じようにモンドール付近の人々に日本のチーズの本の説明が読めたら、
理解に苦しむ(てか苦笑する?)ような気がします。
そもそも日本て、「おフレンチのなんちゃらはこうでなければいけない」、みたいな
決め付けが多いよなぁ、と感じるのは私だけでしょうか・・・。
 
               (ふぅふぅ・・気を取り直して。)。
 
まあ小さいところでは、例えばロンドンでは「ファーイースト」とか「オリエンタル」扱いで日本食と中華、
東南アジア料理がごちゃごちゃにされているのをあちこちで見ますが、気にしない人は気にしない
のかも知れません。だってきっと同じことを日本人もやっている
(ヨーロッパの食事はみな同じと思ってる)んだと思います。

さて、話はヴァシュランに戻り、となると、当然今秋が楽しみになってきた。
(サラリーマンの宿命、突然の帰国令が出なければね)。
 
ロンドンではヨーロッパ中のチーズが手に入りますが(当然、現地にこそかなわないものの)、
リーズナブルに何度も試せるのは欧州に住まう醍醐味。
ボジョレーの頃(ってオットしか飲みませんが・笑)、真冬、春それぞれのモンドール
そして熟成度合いもさまざまに試すことが出来ると思うと今からウキウキ(解り易い性格・笑)。
 
ちなみにAOC制度が出来る前からフランスのこの地方「の近く」
同じ製法で作っていた良質な(個人)職人の作るチーズなどもあるらしく
(微妙に位置だけが違うのでモンドールAOCと名乗れない)、奥が深い・・・。
(っていうか、ヘタにAOC扱いの量産品より凝り性としてはそっちを現地で食べてみたい・・・・
しかし、スイス近くの山中で真冬かぁ・・・・・笑) (寒がりです。)
 
ともあれ、キッチンは翌日から臭くなくなりました
 
しかし、まだまだ知らないことがたくさんあるなぁ、、、
 
モンドール・フォンデュー
 
・まず、チーズの表面の乾いた部分を包丁で切り取る。
 薄くフタを取るような感じ。
・周りの木の皮(箱)ごとアルミはくで覆う。
・白ワインを好きな量そそぐ。多ければ甘くなるし、熟成度合いや味の好みで調節
・好みでにんにくを入れる(入れなくても十分おいしい)。
・180度~220度に熱しておいたオーブンで25分程度焼く。(要は溶けて表面こんがりしてくればよい)
・旬の野菜・根菜など、(出来れば)天然酵母のパンなどをつけて食べる。
 
*カマンベールチーズでやってもおいしいです。
 
*シーズンになると、日本のチーズ専門店やデパート、スーパー(成城石井とか)でも
簡単に手に入るようになりました。直径の小さいものが主流で、高いですが、
大勢のパーティーなんかだったら割安感が出てくるかも知れません。
 
毎度つまらない人にはつまらないネタですみません・・。かしこ。