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食オタク主婦ブログ

ハモン・イベリコとハモン・セラーノ

ウワサには聞くハモン・イベリコ
でも世界三大ハムハモン・セラーノだよね?・・
 ・・・パタ・ネグラ?、パレタ?、?・・パ?・・・・・・・・?(笑)
 
生ハム好きのアナタ、実はごちゃごちゃ・・・じゃありませんか?
私もでした、にわかハモリエ(笑)が簡単?に整理してみましょう!
      ↓
       *例によってこの書庫は、簡単といいつつマニアックなので
       ご興味のない方はここでリーブ下さい(笑)。
 
イメージ 2
 バルセロナのボケリア(サン・ホセ市場)にて
 
①ハモン・イベリコとは? →"イベリコ豚の後脚の生ハム"のこと
 ↓その種類(グレード)は3つ
 
    →デ・ベジョータ(DE・BELLOTA)ちゃん(どんぐりだけ育ち、という意味)
     生ハム界全体の2.2%ぽっち!
     超優等生(最高級品)=赤ちゃん時はミルク育ち、
     以降、広々としたコルク樫の原生林で自然放牧、ストレス無し!
     しかも、どんぐりだけ食べてまるまると完璧に太りました
     結果、脂の質も植物なみ(≒オリーヴオイル)で体にイイのよぉ~。

     そこんとこフツウの白豚ちゃんと一緒にしないでね~♪、
     白い脂部分、低い温度で溶けちゃいます。
     食べて頂くと、お口の中でトロけるわよっっ!!
     
      ↓
      →デ・レセボちゃん 
      優等生(高級品)=・・・
もともとはベジョータ候補だったんだけど・・・
      どんぐりだけでは太り切れず、屠殺も遅れ、最後は他の飼料も食べて合格したの♪
      でも十分高級で、十分美味しいワよ!
 
       ↓
       →デ・セボ(又の名をピエンソ)ちゃん
       イベリコ豚ちゃんではあるけど、
       エリート教育を施されずして、フツウに育てられたの♪
       でも、あくまでイベリコよっ!(笑)。
              (ややこしいのですが、厳密にはデ・セボの中もランクが2つに分けられていて、
                 上のクラスをデ・カンポ・レセボと言う)
 
ハモン、というのは、今では"生ハム"という意味になっていますが、
もともとは「後脚」の意味なので、実際にはベジョータ豚の肩肉(前脚)を使った
モノは「パレタ」(paleta)と言って区別されています。
「ハモン・パレタ」とは本来は言わないワケよ。
ただ微妙な味わい(若干脂が少ない)は違うものの、
どんぐりとストレスフリーで育った豚の持つ、高品質の脂の質自体は同じ筈。
(ちなみに、肩肉って・・・動物で言うと、後脚に対して前脚!のことじゃんんんんんんん~~!
       ・・・・って知ってた?頭の悪い私は当初一致しなくて動物博士のオットに笑われた・笑)
ハモン・イベリコには「ハモン・イベリコ輸出協会」というイベリコハム総生産の
実に80%を管理する団体が有ってその品質を保障するスタンプを押しています。
(原産地呼称とは別)
イベリコ豚の、「ハムにならなかった」部分も牛肉より高い!豚肉として有名ですが、
どんぐり育ちのそれって手に入るのかしらん。
それと、私にはどうしても「Bellota」の発音が「ベヨータ」と聞こえます。
日本語のサイトではみんな「ベジョータ」と訳されているけど・・・。
 
そうそう、バルセロナの市場では、とあるハムやのおっちゃんが(誰から学んだのか・笑)、
「ドングリ食ベテルウ、ドングリ食ベテルウゥゥ」
・・・・と日本語で繰り返し言ってくれたのがおかしかったです。 
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左のおっちゃんです。ワタシ、チョト、ニホンゴデキマス。
 
ハモン・セラーノとは →"スペインの山で作られた白豚の生ハム(イベリコではない)"
こちらはすでにスペイン産の生ハム、という属名みたいになってますが、
「セラーノ」とは「山岳地」という意味であり、もともと「ハモン・セラーノ」とは「山のもも肉(ハム)」。
昔の自然の環境下で伝統的に作られてきたものが名前の由来。
(技術でカバーできる現在は違いますが。
)
多くの場合は白い豚ちゃんのもので英国が誇るヨークシャー種などのフツウの豚ちゃんです。
 
イベリコ同様にその品質を保証する団体がありますが、その数は総生産の半分だとか。
品質の良くないヘタなイベリコハムよりも実質は上の
品質の確かなハモンセラーノが存在することも有り得ますが、
イベリコ、セラーノともに品質の良くないものもまた存在します。
どんな食品でも同じことですが。
 
ちなみに世界三大ハムとは、
★イタリアの"パルマハム"(プロシュート・デ・パルマ)
★スペインの"ハモン・セラーノ"
★中国の"金華ハム"(金華火腿)
 
とフツーに出てきますが、
ハモン・セラーノは(専門的には)ハモン・イベリコを含まないんです!
でもイタリアのパルマも金華ハムも原産地限定されているので
ハモン・セラーノもイベリコを含まず、昔からの「スペインの山岳地帯で作られていた後脚」
だけを指してもいいのかも知れません。

まあ、そもそも「三大ナントカ」ってのも誰が決めたんだか・・・(笑)
 
また、フランス語の「ハム」の意である「ジャンボン」はつづると「jambon」で、
これも語源は「もも肉=後脚」だそうです。面白いですね。
微妙~なフランスのバスク地方には有名なジャンボン・ド・バイヨンヌがありますよね。
英語の「ハム」自体の綴りHAMも似ていますが、これは語源が違う?ようです。
(逆にハモンから来たとする説も有り)

ただ、欧州言語の中ではいずれも(Hで始まるものは)少数派で、
多くはSから始まる、これも「太腿」を意味する言葉だそうです。
(ドイツ語に代表される、シンケンとかね)
 
ソーセージはほとんどドイツからのものなのに、アメレカ語を使わされている?我々日本人としては
世界中がハム、って呼んでると思っていたけどね
(大英帝国人もそう思っていると思う・笑)
ちなみに、イタリア語の「プロシュート」は肉の部位が語源ではなく、
「製法」の「干からびさせた」からきているようです。

■スペイン生ハムの原産地呼称
★D.O.DEHESA DE EXTREMADURA(デエサ・デ・エクストレマドゥーラ)
イベリコ豚の飼育が集中しているところ
★D.O.GUIJUELO(ギフエロ)
イベリコ最古の原産地呼称 サラマンカ地方の高地村落で作られ、ギフエロ産が超有名。
長い伝統はもともとここでの製造が適していたことを表しています。
★D.O.JAMON DE HUELVA(ハモン・デ・ウエルバ)
ウエルバ山脈の特定の村落。ウエルバ産、と言えば
=高級品というイメージで良く言われます。
このうちのひとつの村「ハブーゴ」が高級な「イベリコハム」全体の
俗名として使われていることもしばしば。
(ここ、原産地呼称がハブーゴに変わるとか?)
★D.O.LOS PEDROCHES(ロス・ペドロチェス)
コルトバ近郊で作られ、ウエルバ産のものよりあっさり、だとか。
 
以下は白豚飼育とセラーノの原産地呼称です。
★D.O.TERUEL(テルエル)
★D.O.JAMON DE TREVELEZ(ハモン・デ・トレベレス)
 
■細かいことだけど、混同しがちな点
*原産地呼称(D.O.)=ハモン・イベリコではないこと
*ハモン・イベリコを通称でパタ・ネグラ(Pata Negra)(黒脚)とも言うけれど、
ハモン・イベリコ=黒脚100%ではなく
、イベリコ豚以外で黒脚を持つ豚もいます。
*ハモン・イベリコ=高品質ではない。(質の良い脂を持っているわけではない)
食物であるどんぐりの摂取量や放牧環境にもよるので
特にハモン・イベリコとあっても出所のわからないものは注意する必要がある。
 
以上はいろいろなサイト等で知識を仕入れて
私なりに簡単にまとめたもので、いつものことですが、私見も入っています。
 
最後にさて、こちら↓はロンドンのバラ・マーケットの
有名スペイン屋さん「Brindisa」のハモン・イベリコ/セラーノ売り場で撮ったもの。
ここは、おいしーいチョリゾが買えることで前にも書きました
 イメージ 1
・・・・・一年以上も前の写真で、最近行ったときは若干値上げされてたような・・・・・
 ↑これを初めて見た時はちんぷんかんぷんの暗号でしたが(英語も含めて?・笑)
帰ってすぐ勉強したものの、ちゃんとは把握しておらず、
スペイン旅行を経て、今ようやくちゃんと理解出来たってカンジです。
 
今ではスラスラと全部読んで理解することが出来ます(笑)
&かなりの品揃えであることまで判ります。
 
黒板の一番上に書いてあるのが、「Brindisaのハム屋さん」ですね。そして、
***左の黒板?の上から***
■黒脚のベジョータ
(=以下全てハモン・イベリコ・ベジョータだと言っている)
★★★ホセリート社のグラン・レセルバ
(=ギフエロに有る有名な会社の超熟成モノ、レセルバという言葉はワイン好きなら知ってますね。)
3年モノから有りますが、ここでは、4年モノまで(!)のもの、と書いてあります。
(ちなみに良い豚(脂)でないとここまでの熟成に耐えられません。)
100g=£20、(うっ、高い)。
★★D.Oデエサ・デ・エクストレマドゥーラ
少なくとも2年半は熟成されてます
100g=£16.5(マイナス£16.5と見えるのは私の気のせい?笑)
★ホセリート社の肩肉モノ
100g=£15
***右の黒板***
■イベリコ豚のレセボ(ベジョータに次ぐ品質)
ハブーゴと書いてあっても生粋ハブーゴ"産"とは限りませんが、
この店の他の書き方から察するに恐らくウエルバ・ハブーゴ村のもので2年以上熟成
■イベリコ豚ではない、白(BLANCA)豚
ハモン・デ・Monroyoとは、D.O.テルエル、
1年半以上熟成されたもの。
100g=£6.75(随分安くなります・・)
 
(でもさ。。。。そもそもスペイン語や英語が読めたって、観光客が
意味まで解って買ってるとはとても思えず)
 
とってもフレンドリーなお店のお兄さんが味見させてくれます。
この際、是非是非是非最高級のベジョータを味見させてもらいましょう
ヒヤカシはいけないけど、買わなきゃいけないわけでもありません。
味の違いを比べられるなんて、素晴らしいじゃありませんか!
ここで、ウチの両親、義父、ともに堪能させました(笑)。
 
高いけど、どうせ買うならホセリート社のベジョータ↓かな。
イメージ 4
100gってこんだけ・・・(笑) ちなみに白いポツポツのところが旨みと栄養、チロシン
 
お次はスペインのスーパーで買って来たMONTARAZ社のベジョータ↓
イメージ 5
 ↑ これにもチロシンが結晶していますね♪
ちなみにこの日はこれが、得意のbuy one get one free・・・
1個買えば、1個おまけ=つまり実質半額で、20ユーロ・・・・
スペイン語で書いて有っても何故か解る(笑)。
ひと袋1000円(150g)、てカンジは、随分安いベジョータだこと(笑)。
(計算すると、通常は100gで\1,330円くらい、ってことですね。
バルセロナのは1550円くらいでしたが、ベジョータであっても
熟成期間やら、もともとの豚やら、全く同じもので比べないと安い、高い、は言えません。)

このお正月は真冬だと言うのに最後の空港マラガは20℃!
帰ってくる際、融点の低い脂が溶けかかってたし・・・・(逆にホンモノの証!)

それでも、十分美味しかったです。
てか、ホテルの朝食に食べ放題で出てきたレベルの生ハムでも
~これらがベジョータでもイベリコでもなく、ただのセラーノかも知れないけど~
ぜんぜんアッブソルートリィ・ファァンタースティィックゥ!
(英国人のグルメに対する褒めチギリ言葉のひとつ)だったです。
ちなみに、英国のスーパーでスペイン産のセラーノとかパレタとか買っても、
まずくはないけど、やっはし、イマイチです。
 
やっぱ食べ物は現地!ソバ・スシは日本(笑)。
 
・・・・・・だけど、こんなに必死で探究しても、
(ブログのためでなく、単に自分の興味と記録のためオンリーです、それがオタク・笑)
日本に帰ったら、平民の私には、ほぼ、手に届かないものばかり。
はあっ・・・・(ため息・笑)。
 
本日のところは以上です(笑)